肝臓・消化器病センター
肝臓・消化器病センターでは、胃・大腸などの消化管疾患、肝障害・胆石症・膵炎などの肝胆膵疾患、その他消化器全般の専門的診療をおこなっています。
上部消化管内視鏡、大腸内視鏡、腹部超音波(エコー)検査、腹部CT検査などの一般検査から内視鏡的逆行性胆道膵管造影(ERCP)、超音波内視鏡検査、経皮的肝生検、腹腔鏡検査などの特殊検査までおこなっています。
内視鏡治療も積極的に取り組んでおり、ポリープ切除術、食道静脈瘤硬化療法、消化管出血に対する止血術や経皮的胃瘻造設術(PEG)また総胆管結石の除去、胆管狭窄に対するステント留置など胆道疾患の内視鏡的治療にも力を入れています。
消化器疾患に対する治療
食道疾患 |
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胃・十二指腸疾患 |
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大腸疾患 |
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胆道膵疾患 |
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肝疾患に対する治療
- 肝動脈塞栓術および亜区域塞栓術
- 経皮的エタノール注入術
- 動注ポート設置による持続的・間欠的動注化学療法
- 慢性B型肝炎に対するラミブジン療法
- 慢性B・C型肝炎に対するインターフェロン療法とリバビリン併用療法
- 難治性腹水に対する腹腔-頸静脈シャント療法
- 腹水再静注療法
- 劇症肝炎に対する血漿交換療法
内視鏡的逆行性胆道膵管造影(ERCP)
ERCP検査では、膵臓や胆道系(胆のうや胆管)の疾患を調べます。
胆管と膵臓内の膵管は合流して十二指腸に孔として開口しています。
内視鏡を口から十二指腸に挿入し、内視鏡を通じて細いチューブを胆管と膵管の開口部に挿入します。
このチューブから胆管と膵管に造影剤を注入して、胆管と膵管やその枝分かれした部分のX線画像を撮影します。
胆道系の胆石や腫瘍による閉塞性黄疸をを伴う場合は、ERCP検査に引き続いて胆石の砕石術、狭窄部にチューブやステントを挿入して胆汁を排出させる減黄術等の内視鏡的治療を行う場合もあります。
経皮的胃瘻造設術(PEG) ・ 経皮経食道胃管挿入術(PTEG)
PEGは、口から十分に栄養が取れない方のために、内視鏡を使って腹壁と胃壁を通して小さな穴を造り、その穴にチューブを挿入する内視鏡的治療です。そのチューブを通して栄養を摂取することができます。
PTEGは、首の付け根から食道まで通じる穴を造り、その穴からチューブを食道内を通して胃もしくは小腸内まで挿入する治療です。
内視鏡は使わず超音波(エコー)を使用して行います。
胃の手術をされている方などはPEGが造設できない場合がありますが、PTEGはそのようなPEGができない方にも造設が可能です。
従来の経鼻胃管(鼻からチューブを挿入)による栄養注入に比べ、患者様の苦痛が軽減されるとともに在宅や施設でも管理がしやすくなります。
PEGやPTEGによる栄養注入は、普通の食事と同じように胃腸を使い消化機能が維持されるので、患者様の状態の回復に応じて口から食事をとることができるようになる場合もあります。
PEGやPTEGは栄養注入のほか、腸閉塞のために腸内に溜まった消化液やガスを排出する目的でも行われます。
PEGドクターズネットワーク(PDN)は経腸栄養法のひとつであるPEG(経皮内視鏡的胃瘻造設術)および関連する栄養療法についての情報提供を行うNPO法人です。